山田拓児様よりAIZENへのコメント
■AIZEN本体へのコメント■
サックスの三大ブランドと言えばヤマハ、ヤナギサワ、セルマーというのは周知の事実です。歴史あるメーカーで、それぞれのノウハウを注ぎ込んだ個性あるサックスです。 近年その三大ブランドの他にも様々なメーカーがサックスを研究・開発し、新しいサックスが次々と生まれています。
その中から際立った存在が生まれた事をお伝えします。
AIZEN(アイゼン)というメーカーから発売されたサックス。 現在私はAS2-GLというモデルを使っています。先ずこの楽器を持った時に感じた事はコンパクトだということ。自然とキーが手にフィットする感覚を覚えました。特に最近は左手のパームキー大きすぎるサックスが多いと思く、高音域の早いフレーズでは若干ストレスを感じる事がありますが、アイゼンのサックスは非常に演奏し易いです。
そして、ボタンを押した時に感じるレスポンスの良さ。スプリングがかなり良いです。意外とこのスプリングが楽器選びの際に盲点だったりしますが重要な部品です。
そして実際楽器を吹いた感想ですが、今までの新品のサックスのイメージが一気に払拭させられました。先ず、鳴ります。「鳴る」と書くと豪快な野太いサウンドをイメージするかもしれませんが、そうではなく、低音部から高音部まで、ppからffまで均等に良く響きます。特にppからmfまでの音量で吹いた時の音色の暖かい音色、吹奏感が心地良いです。 私が一番気に入っている事は、この楽器はまるで「楽器に吸い込まれていく」ような感覚を覚える事です。息のコントロールが本当に楽で、ロングトーンの練習をすると凄く気持ちいい。また、「こういう吹き方をするともっと楽にふけるよ」と楽器が語りかけてくるかのごとく、正しい息の入れ方、楽器の響かせ方を教えてくれます。常にリラックスさせてふけるよう、無理に鳴らそうとしなくてもいいように、この楽器は導いてくれます。まだまだ上手くなるぞ、という自信も湧いてきます。
また、アイゼンにはスターリングシルバーのネックがあります。これには本当に驚かせられました。銀のネックで演奏するとここまで違うのかと。真鍮のネックに比べ、少し吹いただけで太く暖かい音で、素直に管が響きます。楽器のコントロールがしやすくなります。もちろん真鍮のネックも良いのですが、一度この感覚を覚えるとなかなか真鍮には戻れないと思います。
先に書いたように手にフィットするようなキー配列なので、スケール練習をすると特に分かるのですが、速いパッセージも楽に演奏できます。メーカーによっては左手の小指のキーのコントロールが難しいものもありますが、そのストレスもありません。
現在半年程使っていますが、使い込んでいくと楽器もより響くようになります。この楽器はさらにこれから進化すると思います。
メーカーによっては、サックスの音色が最初から決められた様な、誰が吹いていも同じ音がするような物もありますが、アイゼンは自分で音色を作る楽しみが味わえます。
またアイゼンのマウスピースとの組み合わせにより、本領発揮します。
アイゼンサックスを使うと早く上達できることでしょう。何より、今この楽器を使って、本当にサックスを吹く事が楽しくなりました。私は、これからサックスを初めて見たい方から上級者、プロの方までこの楽器を全ての人にお勧めします。
■AIZENマウスピースへのコメント■
AIZENのマウスピースは、全ての種類において、息の通りが良くて、楽に演奏出来ます。この事はマウスピースにとって一番大事な事ではありますが、現行のマウスピースはこれをクリアしていないものが多いと思います。
息の通りが悪いマウスピースをコントロールする事に慣れてしまっている方が多いかもしれませんが、一度AIZENを使うとその吹奏感から、今まで使っていた物との差に驚く事と思います。プロはもちろん、私は特にアマチュアの方に是非使って頂きたいと感じています。
今まで良質のマウスピースを探す事は容易な事ではなく、プロミュージシャンも、何度も沢山の楽器店に足を運んだり、インターネットオークションの海外サイトをチェックしたり。そして年々ヴィンテージマウスピースの品数は減り、値段も上昇してきました。
アマチュアの方は特に探す事が困難だと思います。 私自身、AIZENに出会う前は、1960年代のNYメイヤーの使っていました。しかし、マウスピースは使うにつれて消耗してきます。徐々に演奏し辛いと感じてきた頃にAIZENと出会いました。
最初に吹いた時は、なんて楽に楽器が鳴るのだろうか、と思いました。それと同時にもうマウスピースを探す必要はなくなったと思いました。是非、一度AIZENマウスピースを試して良いマウスピースの吹奏感を覚え、楽に演奏できる喜びを共有できれば嬉しいです。
それぞれの特徴を簡単に書きます。
■SO
3種類の中では一番音が丸く温かい印象です。ここ数年、セルマーのソロイストを使うアーティストが多いのですが、彼らのような音色と、ソロイストの吹奏感が好みであれば、一番お勧めします。 また、吹奏楽やクラシック経験者で、今までセルマーのマウスピースを使っていてこれからジャズを始めたいという方にもお勧めします。 スムースにシフトできると思います。
音源サンプル1
音源サンプル2
■NY
3つの中では一番音が明るい印象です。ビッグバンドのリードアルトのキラキラした音色を求めているのであれば、このモデルをお勧めします。 もちろん、コンボにも適しております。フィル・ウッズのような明るくカラッとした音色が好みであればこれだと思います。
音源サンプル1
音源サンプル2
■Jazz Master
NYに比べると少しダークです。低音の音の太さ、ザラっとした倍音が混じり、中高音はいわゆるアルトらしさ、低音はテナーの太く温かいカラーを持ち合わせたバランスの良いマウスピースだと思います。私自身、このモデルを気に入り使っています。
音源サンプル1
音源サンプル2
■購入後のポイント
どのモデルも本当に素晴らしいものです。現在使っているリードで合わない場合もあるかもしれません。そんな時には必ず違う種類のリードを試してみて下さい。色んなリードで試してみる事をお勧めします。最近はバラ売りしている楽器店もあるので、3枚ずつほど試してみて下さい。必ず良いセッティングが見つかるはずです。
経歴
山田拓児(alto, soprano saxphones, bass clarinet)1980年、札幌生まれ。中学校入学と同時にアルトサックスを始める。1998年、洗足学園短期大学に入学し、サックスとバスクラリネットを中村誠一に師事。Berklee College of Musicより奨学金を得て2002年同校に入学。
03年には同校の選抜メンバーに選ばれ、New York Blue Noteに出演、また同バンドでSerious Radioに出演し全米にスタジオ録音の演奏が流れる。04年、同校を卒業後North Sea Jazz Festivalに出演。その後ニューヨークに活動の拠点を移し、様々なセッションに参加。08年日本に帰国し、日本での活動を本格的に開始する。
09年、自己のバンド”山田拓児クインテット”が、”横浜ジャズプロムナードコンペティション”のグランプリを獲得。また、山田拓児セクステットとして同年”浅草ジャズコンテスト”にて金賞受賞。現在は鈴木良雄”Generation Gap”や自己のグループ、アメリカ滞在中に発足した”UoU”(ゆーおーゆー)をメインに活動。
2010年10月、UoUのアルバム”Home”をTippin’ Redordsより発売し、Jazz Week Worldの全米ラジオチャートを2週連続で1位獲得。ライブ活動の他に、島村楽器の講師しても活動し、後進の指導にも力を注いでいる。
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